リボンの別れ

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「待って下さい!」 小雨の中、校舎に先に戻った都貴さんを追った。 足元で雨が跳ねる。 「リボン…あれ?」 校舎に入るが、目の前にいると思った都貴さんはいなかった。 入り口で左右をきょろきょろ見るも、どこにもいない。 「あれー?」 とその瞬間、後ろから抱きすくめられた。 「きゃっ…!」 雨の匂いとさっき嗅いだ優しくて甘くてとろけるような匂いが漂う。 「…景」 匂いと同じような声で囁かれた。 鼓動が早くなる。 「はい…」 どきどきしながら答える。 「…家まで待てない。」 匂いと同じような言葉を囁かれた。 さらに鼓動が早くなる。
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