リボンの別れ

3/16
前へ
/120ページ
次へ
「えっ…」 左肩に都貴さんの熱と重さを感じる。 「保健室、行く?」 だめだ。 甘い言葉ばかりに、私は体の力が抜けてしまった。 校医は都合よく不在だった。 というか都貴さんは知っていたみたいだ。 丁寧に【不在】の札が掲げてあるにも関わらず、扉を開ける。 そして鍵を閉めた。 覚束ない足取りの私をカーテンで仕切られたベッドスペースの最奥に導き、そこに座らせた。 ゆっくり私のブレザーの上着を取る。 リボンも取られていた私は白いシャツ姿になる。 穿いているチェックのスカートも捲れ上がり、足がのぞく。 「景」 そう言いながら額にキスを落としてきた。
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1104人が本棚に入れています
本棚に追加