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都貴さんの声と雨音が耳に心地よく響く。
「薬を飲んでも辛いから、ということで休みにきた彼女は、長谷部先生の指示で手前のベッドに眠ることになった。」
支えている腕が疲れたようで、都貴さんは私の横に倒れこんだ。
私は目を開け、左隣に横たわる都貴さんを見た。
都貴さんは私を見ている。
「午前の授業の終わりのチャイムが鳴って少しした頃、別の女の子が保健室に来た。その子は、先に来ていた女の子の様子を見に来たと長谷部先生に言った。」
「あっ…」
私は思い出した。
都貴さんが少し笑う。
「見舞いに来た子は、寝ている子の好きらしい野菜ジュースと自分のお昼を持っていた。そして仕切りカーテン越しに中の女の子に小さく話し掛けてた。」
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