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「……もう一度、真剣に愛してくれる?ううん、私も真剣に愛してもいい?」
涙が零れた。
私からも、緋水からも。
瞬きの度に、透明な雫が落ちる。
私は緋水を抱き寄せ、その涙を絡め取った。
静かに嗚咽を漏らす、緋水の温かい息が私の耳元にかかる。
「………真剣に、」
震える声で、緋水は応えた。
「真剣に愛すから……」
上半身を起こした緋水が私を見つめた。
「もう、離さない。」
そして、私と緋水は翌朝まで躰を重ね合い、疲れ果てた頃に眠りに落ちた。
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