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最近、私に懐くやつができた。 彼女の名前は亜紀。 私のことを『きらきらしてる』と言う。 『好きだ』と言う。 『ほしい』と言う。 正直、戸惑っていた。 私にはあの過去がある。 …私の、初恋。 亜紀を見てると思い出す。 彼女と過ごした、僅かな日々を。 「李華さん!」 いつものように昼休みの屋上で煙草を吸っていると、二人分のご飯を持った亜紀がやってきた。 亜紀のご飯はおいしい。 私好みの味をしてる。 「はいはい、」 必ず抱きついてくる亜紀を適当にあしらう。 「今日のメニューは?」 「…私よりご飯が先なんですかー。」
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