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「すみません……ええと、どなたでしたっけ……?」
「あ、ごめんなさい。私、フォーラム3階で働いてる、星野です。矢島さん、警備員されてますよね? お名前は名札で知りました」
「……ええっ! 星野さん?」
俺は驚いた。だって、目の前にいるのは、俺の知ってる星野さんとは似ても似つかない地味な感じの女性なのだ……が……
そう言われてみると確かにその顔立ちと髪型と豊かなバストは星野さんのそれっぽいし、笑顔になるともう彼女そのものだ。てか、ナチュラルメイクの彼女も全然悪くない……それはともかく。
「すみません……全然気づきませんで……」
「い、いえ、こちらこそ、いきなり声をかけてしまって……すみません……」
な、なんなんだ、この謝り合戦は……つか、俺ら、なんかいい雰囲気じゃね?
「矢島さんって、いつもこの電車で帰ってますよね。で、三ツ屋の駅で降りてますよね」
「ええ。良く知ってますね」
「時々お見かけしてたので。私も同じ駅で降りてます」
そうだったのか。気づかなかった。まあ、目の前の彼女は仕事場の姿とは全く別人のようだから、それも無理ないか。
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