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見た目は正方形の箱であり少年が見える方からは木製の取っ手のついた引き出しが二つついてる。
ヘンテコな箱だ。
「この中に二枚の羽があります、一枚は大変な時に君をドン底から救ってくれる者の羽。 一枚は君の大事なユキちゃんを殺したサイコパス野郎の羽」
にたりとメフィストが口角を上げる。
「もし地獄でその二人と会って・・・・・・どっちが味方なのか分からなくなった時は『DD』と言ってみてください。 必ずどちらかが反応しますから」
(どうして、俺に、教えてくれる?)
「僕は面白い事が大好きだから! それに君からは普通の人間にはない歪みを感じますからねぇ〜」
(もし会ったら一発殴るからな)
「僕に会いたいのなら勉強すること。 知識はどれほどあっても困らない! そして、特に大事なのは感情的にならず、冷静に頭を働かせる事だよ!」
(冷静に・・・・・・)
「感情的になりそうな時や、焦りそうになった時に思い出してください。これを我慢すれば悪魔とは呼ばれなくなる──幸せな生活を取り戻せる、と」
今までの俺は感情的で暴力的だった。
だからユキを失ったんだ。
メフィストが言うように、知識を蓄え、冷静さを保っていれば、前みたいな生活を取り戻せる。
「さぁ、私を楽しませてくださいね? 黒羽輝くん」
ユキを生き返らせる事ができるんだ。
ユキを殺した奴を殺す事ができるんだ。
「・・・・・・って、聞いてませんね。 それでは、私はもう行きますが、とりあえず箱を渡しますね」
黒い羽根、白い羽根。
普通に考えれば黒い羽根が怪しいかもしれないが俺は、なぜだか、やけに白い羽根が嫌いだった。
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