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──白い羽根の悪魔を殺せ!
自分の声とは思えないほど、低く、憎しみが込められた声に、俺はベットから逃げるように出た。
「ッ・・・・・・!!!」
ふー、ふー、と肩を揺らしながら荒い息を零す。
久しぶりにハッキリ見た悪夢に、忘れかけていた目的を思い出した。そうだ、俺はその為に居る。
メフィストに出会う為・・・・・・会って、ユキを生き返らせる為に、俺は地獄に来ていたんだろうが。
何で忘れていた? あの言葉は覚えてたのに。
『感情的になりそうな時や、焦りそうになった時に思い出してください。これを我慢すれば悪魔とは呼ばれなくなる──幸せな生活を取り戻せると』
ああ、そうだったな、メフィスト。
俺はお前と会う為に地獄にやって来た。
──そうだ。
俺は中学一年の頃にあった火事が原因で、悪魔と呼ばれ人に罵られた。 そして高校三年の終わりに俺は学校のおくじから飛び降りて自殺したんだ。
冷たくて、心が分からない、冷徹な悪魔。
ああ、そうだ。 俺はそんな人間なんだ。
「なんか・・・・・・妙にスッキリしたな」
曖昧だった記憶も大分戻った。
そして俺が復讐すべき相手も分かった。
『私の羽? 私の羽は白色ですよ?』
──ベリアル。
アイツこそ俺が恨むべき相手だったんだ。
俺から全てを奪ったサイコパス野郎。
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