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「今までは記憶が曖昧でいくつか大事な事を忘れてしまっていたんだが、昨日いきなり記憶が蘇ってきたんだ。 そして俺の大事な人を殺したのがベリアルだと気付いたから殺す作戦をたてている」
いや、殺せなくても良い。
ユキが味わった苦しみを味わせられれば。
「前は遮られたが言わせてもらう。 貴殿にはベリアルを殺せない、あやつもそれが分かっている」
「・・・・・・そんな事はない」
「貴殿は本気でベリアルを憎んでいるが、それより憎んでいるのは自分自身。 自分が生まれなければ誰も傷つかなかった、誰も死ぬ事はなかった」
駄目だ、落ち着け。 感情的になるな。
俺は俺の出来る事をしただろう、悪いのはユキの家を家事にしたベリアル、それとあの組織だ。
「いくら冷静で落ち着いた自分を演じようと貴殿は心優しい人間なのだ。 あやつを殺す事はできまい」
なんなんだ、Mrもマルコも。
俺を優しい優しいと言ってきて・・・・・・! 何も知らないくせに、なんで俺が優しいと分かるんだ!!
小学生の頃から喧嘩ばかりして周りからは障害を持っていると言われ、中学生の頃には恋人の顔に刃物で傷をつけ、高校生の頃には悪魔と呼ばれた。
そんな俺が優しいだなんて──冗談じゃない。
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