第11章 新しい出会い

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昨夜はマルコに帰ってもらい、ひたすらに自分の優しい所を考えてみたが全く分からなかった。 ・・・・・・優しい所なんてないんだから当然だが。 溜息をつきながら赤い川(レッド・リバー)の近くを歩いていれば川辺に誰か居るのが見えて、俺はなんとなく気になってその人物の傍に近寄った。 「こんな所で何をボーッとしてるんだ?」 「っ!? だ、誰だ!?!?」 気配に気付いていなかったのか、やけに身なりの良い悪魔は俺を見るなり服で目元を拭っていた。 あー・・・・・・またまた、タイミングが悪かったな。 「・・・・・・貴様には関係ない」 「ああ、そうだな。 悪かったよ」 そう言って帰ろうとしたが、なんとなく気になり振り返った。 そして数秒後に後悔してしまう。 悪魔は顔を両手で覆い、声を出さずに肩を細かく震わせて静かに泣いていた。自分が泣いているという事を、誰にも気取られたくないという様子で。 それを見ていると何だか妙な気分になって、俺は溜息をついてから地獄の街(ヘル・タウン)に戻った。
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