第12章 イカれた堕天使

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コウモリの名前は、アモン、マモン、らしい。 銀色の方がアモンで金色の方がマモン。 この二匹のコウモリはよく喋る奴らでペラペラと聞いてない事を話し出す。 ダンタリオンとかいう奴が主人だとか、尊敬しているとかなんとか。 まぁ・・・・・・今の俺には必要ない情報。 しばらくして今夜のパーティー会場である、魔王城についた。 いかにも魔王が住んでます、という雰囲気の城には次々と悪魔達が集まり入ってく。 「ほらほら、入れ!」 「さぁさぁ、どうぞ」 どうやら靴は脱がなくても良いらしく、そのまま屋敷に上がれば、羊頭の執事に問いかけられた。 ──招待状はありますか、と。 俺が困っていればアモン&マモンが執事に何やら囁いた。 すると「どうぞ」と扉が開けられた。 中に入れば、そこには大量の悪魔達が居た。 姿こそ人間っぽいのだが頭からは角が生えていて話している会話も下劣で下品。 俺は溜息をついてベリアルの姿を探して、数秒後に見つけた。 「こんばんは、皆様。 ルシファー様、直々に司会進行を頼まれました上位悪魔のベリアルです」 ・・・・・・司会進行、ねぇ。 それなら弱点を見つめる暇もないじゃないか、と思っていれば見覚えのある姿が目の前を過ぎる。 いつもとは違う格好をしていたが、あれは、 「・・・・・・Mr、だよな」 いつも通りの赤い燕尾服に黒マント。 もはや特徴とも呼べるカラスの仮面はつけていなかったが、代わりに貴族が舞踏会などでつけてるマスクをしていた。 名前はなんだったか・・・・・・。 目の周りと顔の左半分を覆っていて、一瞬分からなかったが、アレは間違いなくMrだと思う。 「何でこのパーティーに?」 ベリアルに招待されたとは考えにくい。 なら何かをしに来た、と考えるのが妥当だ。 俺は静かにMrの跡をつけて行った。
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