第12章 イカれた堕天使

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『今宵は綺麗な満月の夜! 今回はルシファー様が出席する特別なパーティー。 悪魔らしく騒いでも結構ですが最低限のマナーは弁えるように、頼みますよ? それでは皆様、自由に楽しんで下さい』 ベリアルがそう言って頭を下げると同時に会場の明かりが消えてしまうという、予定外の出来事に悪魔達がザワつき始めMrを見失ってしまった。 停電・・・・・・いや、地獄にそれはないだろう。 確か前に誰か言っていたな。 地獄は上位悪魔の魔力で動いているからよほどの事がなければ電気などが消える事はない、と。 今回のパーティー主催者は魔王だが、魔王直々にするとは思えない。 つまり、会場の電気をつけていたのは司会者であるベリアルの可能性が高い。 その時、暗闇に大きな声が響いた。 「紳士、熟女の悪魔達! 貴方達が求めてる王様は傲慢で偉そうな奴なんですか? それとも嘘つきで内心君達を見下している腹黒く最低な王ですか!?」 ・・・・・・嫌な予感がする。 何でだ? 俺が頭の中で誰の声か考えていればカチッと音を立てて明かりがつく。 急に視界が明るくなり少し目を顰める。 しばらくすると目の前が見え始め、ザワついてた悪魔達が息を呑む音がした。 司会をしていたベリアルの首にナイフを当ててる男が居たからだ。 しかも、そこに居たのは俺の知り合い── 「私はルシファーもベリアルも心底大嫌いですから殺す事にしました。 皆様には、二人が死ぬ場面を見届ける名も無き観客になってほしいんですよ」 口元を三日月形に歪めて笑うMrの姿だった。
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