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「たかが人間三人殺しただけでしょう? イライラしていたので憂さ晴らしをしただけです、それの何が駄目なんです? ねぇ、黒羽さん・・・・・・」
ベリアルの手が胸に触れる。
そして、
「教えてください、よっ!」
声と同時に身体が後ろに飛ばされる。
背中に何かが当たったと思った瞬間、口から赤い血が飛び出し、息が詰まって、視界が歪んだ。
「クロくんっ!!!」
Mrの声が聞こえて沈みかけてた意識が戻る。
何かに押さえられてるような胸の圧迫感、そして壁に打ち付けたせいでジンジンと背中が痛んだ。
ヒビの入った壁に手を付きながら立ち上がる。
くそっ、分が悪すぎる・・・・・・相手は人間をゆうに超えた身体能力と能力持ち。 俺は体が頑丈なのと多少の悪知恵が働くだけ、どう見たって不利だ。
「クロくん、大丈夫ですか!? 何でここに・・・・・・!」
心配そうに駆け寄ってきたMrに「大丈夫だ」とだけ返して息を吐き、そこで思わず顔を歪めた。
胸に何かに殴られたような痛みを感じたからだ。
「っ・・・・・・!!」
「黒羽さん、私は貴方が好きなんですよ。 今なら全て忘れてあげますから私に一言謝ってください」
──謝る? 俺が? コイツに?
「偉そうな事言うな、ベリアル。 確かにお前は上位悪魔なのかもしれないがそれは悪魔の中で、だ。 現代でのお前は、傲慢で色欲に溺れている馬鹿な嘘つき悪魔としか書かれてない哀れな奴なんだぞ、何で俺がそんな奴に謝らなきゃならないんだ」
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