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「ああ、気持ち良い! こんなに素晴らしい魔法をどうしえルシファー様は禁忌としたのか。 やはり彼は王に相応しくない・・・・・・この私こそが次期王に相応しい! そう思うでしょう? シュウ、黒羽さん」
まるで天使の羽のように綺麗な純白の羽を背中に生やしたベリアルはニッコリ微笑みながら言う。
こいつ、同族の悪魔を・・・・・・っ、イカれてる。
「それで黒羽さん、謝る気は?」
「誰がお前に謝るか! このイカれた悪魔!!」
「──可愛くないですねぇ」
冷たい声が聞こえると同時に一気に間合いを詰められあっという間に身体が地面にめり込んだ。
まるで重力が俺を潰そうとするかのように感じてベリアルを睨みつければ、ますます身体に重さがかかって「・・・・・・カハッ」と咳のような音が漏れる。
「黒羽さん、貴方は優しい。 世界中の人に悪魔と呼ばれてどれだけ非難されても貴方は困っている人を見捨てずに手を差し伸べる──貴方がいくら奉仕しても彼らは貴方を馬鹿にすると言うのに」
確かに、そうだ。
俺がいくら優しくしても。
俺がどれだけ奉仕しても彼らは何もしない。
でも、
「嘘をついて俺を騙していたお前と比べれば何倍も俺を悪魔と呼んで馬鹿にする奴らの方がマシだ」
身体を反転させて地面に手をつく。
地面を下に押し付けるようなイメージでなんとか立ち上がれば、ベリアルはぐっと眉を寄せた。
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