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・・・・・・確かに、不器用、みたいだな。
今の言い方じゃ誤解する人も居る。
まるで「話すな」と言われてるような気がするし、人によっては「お前の事は何でも知っている」と言われているような気すらもするからな。
「ぬしも余と話すのは面倒、」
「──別に良い」
「なに?」
「確かに面倒だが嫌じゃない。 俺は柔軟な考えをしているから寸前の所で考えが変わる、本の中を覚えていても書き換えられた内容までは読むまで分からないはずだ。 そうだろう? ダンタリオン」
そう言えばダンタリオンは少し驚いたように目を見開くと、手に持っていた本を地面に落とした。
・・・・・・これは、動揺、してるのか?
「なぁなぁ、ちょっと抱き着いてみてくれ」
「ねぇねぇ、抱き着いてみてくださいよ」
「断る、自分達で勝手に・・・・・・っ!?」
小さな声で耳元に囁かれた意味の分からない無茶ぶりを断ると、背中をドンッと強く押された。
そうなれば、もちろん、倒れてしまうわけで。
目の前に居たダンタリオンを巻き込みながら地面に倒れた俺は、彼を押し倒すようにして倒れた。
「あっ・・・・・・悪い、大丈夫か?」
「・・・・・・」
「ダンタリオン?」
「・・・・・・す、すまぬ、少し動揺している」
そりゃあ、男にこんな近付かれたらそうだろ。
ったく、あの二匹は余計な事をしやがって。
「・・・・・・ぬしは綺麗な顔をしてるな」
ん? 何を言ってるんだ?
「人間は好きではないがぬしには触れてみたい」
「ダ、ダンタリオン?」
「なぜか心臓もドキドキして、」
「ダンタリオン! それは勘違い! 吊り橋効果だ」
急いでダンタリオンの身体から飛び退けば背後に居たアモンとマモンからブーイングが上がった。
こいつらは、何がしたいんだ?
答えによっては痛めつけてやろう。
「残念残念、せっかくラブ展開に、なぁ?」
「そうそう、独り身のダンタリオン様に、ねぇ?」
・・・・・・ふざけてるのか、コイツら?
何で悪魔であるダンタリオンに俺を生贄みたいに差し出す気なんだ? しかも結婚をさせる気か?
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