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「ぬし達、余計な事をするな。 確かにドキッとはしたし、確かに綺麗な顔だとも思ったが・・・・・・いや、ハプニングから始まる恋というのも、」
「少しは怒れよ! なに、納得してんだ!!」
はっ! ついつい、本音がでてしまった・・・・・・。
急いで口を塞いだが時すでに遅し。
地面に伏せていたベリアルが楽しそうに笑い始め俺がギッと睨み付ければ、ベリアルはジャラッと鎖の音を鳴らしながら立ち上がり近付いてくる。
「クロくん、貴方にお願いがあります」
「・・・・・・なんだ」
「子供は好きですか?」
子供? 半悪魔ではなく、普通の子供か?
いきなり聞かれたので黙っていれば俺の手をベリアルがギュッと握って最上級の笑顔で言った。
「──実は私には子供が居るんです、私が父親だと知らない無垢な子供。 貴方に殴られる前に部下に命じて私はその子を人間界に捨てるよう命じた」
この時、俺は一瞬だけ思ってしまった。
ベリアルの子がどうなろうと良い、どうせコイツと同じ道を辿るはずだ。 人を不幸にすることしか出来ない最低最悪の悪魔になるはずだ・・・・・・と。
だが俺は思い直した。
俺がその子を正しく導いてやれば良いんだ、と。
──ベリアルの二の舞にはさせない!
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