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「いや、介抱してくれたのは普通に嬉しい。ありがとな。でも、口移しの必要はなかったと思う」
「だって貴方が『水、水』って呟いてたので、飲みたいかと思ったんです。それに、普通には飲めないようでしたから私が口移しをしてたんですよ」
ああ、そうか。俺が『水が飲みたい』って言ったから口移しで飲ませてくれてたのか・・・・・・。
正直引くんだが厚意でやってくれたんだろう。
「殴ったりして悪かった、大丈夫か?」
「え、ええ、大丈夫ですよ・・・・・・だって、貴方のパンチ、気持ち良かったですし。最高でした」
仮面男は泣き真似を止めると仮面越しに俺と視線を合わせ、目をトロンっとさせながら言った。
あ、コイツ、マゾヒストなのか?
俺は内心でそう思いながら身体を後ろに引く。
「えっ、なんかひいてます!?ああっと、違いますからね!!私はマゾとかじゃありませんから!!」
「いや良いんだ、世の中にはそういう少し変わった趣味の奴もいるからな。恥ずかしい事じゃない」
「え!?そういう趣味って?・・・・・・お願いですから誤解しないでくださいよ!私はただ貴方に、」
「俺?」
「あっ、えっと、違う!!!今のは忘れてくれませんか!?私は貴方の手助けにきたんですよ!」
無理やり話を替えにきたな。
まぁ、良いか。何がどうなっているのか知らないがコイツが嘘をついてるようには見えない。
変質者には見えるが・・・・・・まぁ、仮面の趣味とかそういうのは人それぞれだから放っておこう。
それよりも、だ。
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