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昨日はよく眠れなかった・・・・・・。
俺はズキズキと痛む頭に思わず顔を顰めて大きく溜息をつく。ベッドの横にある小さい机の上にはMr.から貰った花束、そして首にはネックレス。
一応言うが俺は着けてない。
抱きついてきた時にMr.が着けてきたんだろうが、これがまたヘンテコなネックレスで、なぜだか首から離れない。まるで絡み付いてくるようだ。
「まぁ、嫌じゃないから良いんだけどな」
邪魔になるわけでもないんだから、ネックレスはつけたままで良いか・・・・・・普通に嬉しいしな。
それにこのネックレスを首にかけると、不思議とネックレスに何となく癒されて元気が出る気がする。
こんな事を思くこは、Mr.のあの優しい目を見てしまったからだろうか。
──何にせよ嫌じゃないんだから良いだろ。俺はそんな事を考えて、そのままベッドに横たわり、頭を抱えて溜息をついた。
「それにしても勝負、か。追い詰めるって言ってもどうやって追い詰めれば・・・・・・ああ、そうだ!もしかしたらMr.が再現しているあのミステリー小説を読み直せばヒントがあるかもしれない」
だが、地獄にそんな物あるか?
・・・・・・いや、あるな。そう言えばベリアルの屋敷に行った時、書庫みたいな所があった。それに帰る時には手土産といって現代の食べ物をくれていた。
アイツの所にならあるかもしれないがあんまり関わりたくない、できれば行きたくない。
が、行かなければクリアできない。
行くしかないだろうな。よし、さっさと終わらせてから帰れば良いはずだ。
俺はそう言い聞かせながら、ゆっくりと目を閉じた。そうしてどのくらい経っただろうか?俺はふとある違和感に気づいた。
『生きていた頃、貴方はミステリー系の本を読んでいたでしょう?だから誰が犯人か謎解きをしてもらおうと思って、黒い羽根を置いて待ってたんですが・・・・・・なかなか、良かったと思いません?』
あの時は混乱していたから分からなかった。
だが、今考えれば変だろう。
なんでMr.が俺の好みのジャンルがミステリーだと知っているんだ?なんでその中でも特に好きだった事件を再現しているんだ??
生きていた頃、Mr.は俺の家族でも友達でもなかった・・・・・・なのに何で俺の事に詳しいんだ?
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