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ベリアルに連れられてやって来たのは小説の中で少女が殺された所と似ている森だった。
俺は耳をすまして森から聞こえてくる微かな音に全神経を集中させる。するとガサガサという音と共に悲鳴が聞こえてきて、俺は森に入って行く。
森を走って行けば少し開けた場所に出て、そこの中心に赤い髪の少女とMr.が居るのを見つけた。
やっぱり、来ていたっ・・・・・・!
Mr.は小説で使われていた物と同じナイフで少女を殺そうとしていて、俺は急いで走って行く。
「さようなら、赤髪の少女」
Mr.の声がやけにハッキリと耳に届く。
俺はMr.に背を向けて、少女を囲うように、そっと抱き締める。少女の驚いたような声が聞こえる。
それから数秒後──冷たい物が脇腹に触れた。
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