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「「「クロ(さん)、お帰りなさい!!!」」」
相変わらず、大掛かりな迎え方だな・・・・・・。
ここの悪魔達は俺が帰ってくる度に作業を止めていちいち俺に頭を下げて、挨拶をしてくるのだ。
どこぞの不良の舎弟でもないのにしなくて良いと思ったのだが好きでやっていると言われれば何も言えなくなり好きにはさせてるがうるさいな。
「ん?そのガキは誰なんですか??」
「どっかで見た事ある顔だな」
「名前はなんていう?」
まるで餌に群がるライオンのように近付いてきた悪魔達に思わず溜息をついた時、俺の手を握っていた手に少し力が込められたのに気付いた。
視線を下に降ろせばアリスが手を握り締めながら震えていて、俺はポンと赤い髪に手を乗せた。
「おい、お前達離れろ、アリスは凶暴だぞー」
「き、凶暴!?何言ってるんだ、ロリコン不良!!」
また不名誉な渾名を付けられたな・・・・・・せっかく助けてやろうと思って言ってやったのになんとも酷い扱いだと思うんだが?まぁ、別に良いか。
だがそのお陰なのか緊張が解けたらしいアリスは俺の手を引くと一歩前に出て声高らかに言う。
「私はアリス!半悪魔!文句があるなら影で言ってないでハッキリ言ってくれ!世話になるぞ!!」
自己紹介がしたいのか、牽制がしたいのか、それとも宜しくと言いたいのかが分からないな。
悪魔達はしばらく驚いて目をパチパチとしてたがすぐに肩を震えて笑いだし、また獣のようにアリスに近付いて何やら楽しそうに話し出した。
「なかなか、漢気があるな、嬢ちゃん!」
「あの半悪魔のガキか思い出した、一度会ってみたいなと思ってたんだ、こっちこそ宜しく頼む」
「何だ普通に可愛い女の子じゃないか」
わいわいとアリスを囲む悪魔達はやっぱり悪意はなさそうでホッと息を吐く。言葉こそツンツンとしているがアリスもどこか楽しそうな様子だ。
『この悪魔!私に近付かないでよ!!』
・・・・・・俺と同じ道を歩まなくて良かった。
もし、俺と同じ道を歩んでいれば、今頃この子は俺みたいにひねくれてしまっていただろうな。
「あ、こらっ、気安く触るでない!」
『私に気安く触らないでよ、悪魔のくせに!』
・・・・・・嫌な事を思い出してしまった。
俺はもう大丈夫だろうと思い気付かれないように手を離して、一足先に自分の家に戻って行った。
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