第5章 向けられる敵意

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「マジで・・・・・・お前って、イカれ、てる」 俺は息を切らせながら隣でニコニコとしてる変態悪魔ベリアルを見ながら溜息をついた。 「あはっ、ありがとうございます」 「褒めてねぇよ・・・・・・バカ」 振り返った先に広がっているのは大きな穴。 まるで大きな隕石が落ちたかのような大穴で俺はこの大穴を開けた張本人であるベリアルは優雅に紅茶を飲んでいる。しかも、宙に浮きながら。 あの眩い光が放たれた後、ベリアルは何かの技?みたいなもので部屋の一部を壊しやがった。 そして次に大きいブラックホールみたいなやつを繰り出そうとして、それを見た瞬間に俺の本能というやつなのかヤバいという言葉が浮かんだ。 だからベリアルに「場所を変えろ!」と叫んだ。 そしたら変な花畑みたいな所に来て、ベリアルがその謎のブラックホールを投げやがった。 何が起きるんだと思っていれば呑気に紅茶を飲みながらベリアルが「逃げた方が良いですよ」と言うものだから俺は全速力で逃げたというわけだ。 「それより、なんで、俺の部屋でブラックホールを投げようとしたんだ?よくも部屋を壊したな!」 「あれを止めたいのならコレくらい普通です」 縦が長いだけのMr.を止めるだけの為だけにこんなブラックホールを投げようとしてたのが普通? 首を傾げればベリアルは溜息混じりに言った。 「シュウ・・・・・・いえ、Mr.は貴方が思っているより何倍も強い力を秘めていますよ。これまではクロくんが怖がるからと秘密にしていたようですが」 「俺が、怖がる?」 「黒羽さんって生きていた頃はなんでも暴力で解決していたようですが、本当は暴力嫌いでしょう?」 確かに暴力は心底嫌いだ。 だから嫌いな暴力を使う自分はもっと嫌いだ。 「だから彼は自分が強いのを隠したんです、上位の悪魔である私と肩を並べるほどに凄い力を秘めているにも関わらず、貴方の為に弱いフリをした」 「なんで、そこまでして俺を・・・・・・」 「気になりますか?なら少し昔話をしましょう」 待ってましたと言わんばかりに楽しそうに笑ったベリアルは地面に降りてくると、自分の額を俺の額に当てて、パチンパチンと指を鳴らした。 すると俺の脳内に映像のような物が流れてきた。
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