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「おい、お前がやったのか!?」
近くにいた者が、俺に声を掛ける。
俺はそれに首を振って、答えた。
「いや、俺はただ、門の前で門番と話していただけなんだ・・・・・・そしたらいきなり、首がきれて、」
俺の言葉を聞いた悪魔達は、信じられないというような顔をする。それもそうだろうと思う。
もし東京とかで殺人事件が起きて、その場に悪の象徴ともいえる悪魔が居合わせていれば、証拠がなくとも、誰もが悪魔が犯人だと言うだろう。
しかもここに来て一日目の奴なんだから疑われて当然だろう。だが、犯人にされるのは困るな。
「待ってくれ、本当に俺じゃないんだ」
「お前の他に誰が居る!?」
確かに、そうだが・・・・・・俺じゃない。
そう思っていれば、まるで俺を犯人に仕立てあげようとするように悪魔達が口々に言い始めた。
「こいつは悪魔殺しだ!捕まえろ!」
「こいつが今までの悪魔を全員殺しやがった!」
どうやら、確実に俺を犯人にするつもりらしい。
これも地獄の罰だろうか・・・・・・生きている頃色々やったからきっと罰を与えられているんだ。
もはや諦めにも似た気持ちで俺は溜息をつく。
そして、俺はゆっくり、地面に膝をついて降参のポーズをした。それを見た悪魔が、俺に近付いてきて現代にあったような縄で俺の両手を縛った。
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