第7章 孤高の戦士

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【本名:アスタロト(或いは、アスタロス、アシュタルス、アスタロッテとも呼ばれている) 地位:地獄の支配階級にある地獄の公爵の一人。 ソロモン72柱では序列29番に位置している。 配下:ネビロス、サルガタナス、40の悪霊軍団。 属性:「怠惰」を好んでおり、人間にも吹き込む。 能力:作業、建築、造物、実現、金星を司り、秘密を暴き、過去未来を透視し、科学技術を教える。 容姿:召喚された場合は地獄の蛇、もしくは地獄の龍に乗ってあらわれ、唇を紅くそめ黒装束を身にまとい、右手には毒蛇をからませていることが多い。場合によっては天使の姿になる事もある。 性格:移り気で怠惰である。また人間に対しても、怠惰な生活をするように働きかけ、苦痛や疫病について楽しげに語り、人間が苦しむ様を嘲り冷酷非常な殺戮を行う。だが学問を修める人間に対してはそれなりの敬意をもって接する。 注意:口からは毒の煙を吐き、また全身からは凄まじい悪臭を放っているためその場に立っている事すらままならない。悪臭からのがれるには鼻先に魔力を帯びた銀の指輪をかざす必要がある】 うん、とりあえず、あのアスタロトという悪魔の事を調べてみたが分かったのはこのくらいか。 まぁ、つまりは、 ・・・・・・面倒くさがりのサディスト、という事だ。 地獄にある本も現世にあった本も調べてはみたがやはりダメだ、弱点らしき事は書いてなかった。 「黒羽さん、少し休憩を・・・・・・って、もしかしなくても私の書庫にある悪魔関連の本を全て読んだんですか?ほんの三時間目を離しただけなのに?」 そうか、ここはベリアルの屋敷だったな。 調べる事に熱中していて忘れていた。 というか三時間もたったのか?俺の感覚では少ししかたってない気がしたんだが、気のせいか。 「アスタロトの弱点を調べてたが、やっぱりと言うべきか書いてない。ベリアルは何か知らないか?」 「捕まえる為とは言え同族である悪魔・・・・・・しかもベルの腹心であるアスタロトの弱点を話すことは出来ないんです、ベルと魔王に殺されますから」 そうか・・・・・・現代で例えるなら首相の弱点を敵に教えるようなものなんだから出来るわけない。 悪魔にも上下関係があるだろうからな。 だが、Mr.を助ける為にも調べないといけない。 「黒羽さん、今から言うのは私の単なる独り言ですから気にしないでくださいね、お願いします」 そう言ってベリアルは微笑むと近くにあった本を手に取りながら綺麗な透き通る声で話し始めた。 「アスタロトは怠惰の悪魔だと言うのに怠惰な生き物は嫌いだと言って殺してましたね。ですが少し前に聞いた話によると、彼は博識な人間の話は聞くと言ってました。私はアスタロトに嫌われているので駄目ですけどクロくんのように真面目な人間の話なら少し聞いてくれるかもしれません」 待て、それってつまり・・・・・・ 「真面目な人間がアスタロトに何らかの交渉を持ちかければ穏便にシュウを返すかもしれませんね」 ──アスタロトが望む物を手に入れて交渉すれば二度とMr.に関わらないと契約させる事が可能だ。 そうすれば、誰も怪我せずに解決する! 「ベリアル、ありがとう。助かった」 「何の事ですか?私はただを言っていただけなのでお礼なんて言われる理由はありませんよ」 この時ばかりはベリアルが天使に見えて俺はニコニコと微笑んでいるベリアルの腕を引っ張り、 ──頬に軽くキスをした。 驚いたように目を見開いてる姿が面白くて思わず笑えば、ベリアルは照れ隠しなのか俺の頭を軽く本で叩いてから「・・・・・・殺しますよ」と呟いた。
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