第7章 孤高の戦士

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アスタロトが他の悪魔と違い、博識な人間の話は聞くらしいが問題はどうやって会うかが問題だ。 面と向かって会いに行けば『敵』と認識されアスタロトの部下に殺される。かと言って相手が来るまで待っていればMr.は悪獣になるかもしれない。 アスタロトの部下に聞くか? いや、完全に殺される。 ならベリアルを通じて・・・・・・いや、確かベリアルは嫌われてるんだったか?さっき言っていたな。 「黒羽さん、逃げてください!」 「はっ?なん──んぅっ!?」 叫び声が聞こえると同時に唇に柔らかい感触。 目の前に見えるのは、赤色の髪と、綺麗な黄色の瞳で、俺は思わずその姿にしばしば見惚れる。 そして我に返った所で押し返した所でバンッ!と勢い良く扉が開けられる。そこにはなぜだが服がボロボロになっているベリアルの姿があった。 「ゴモリー・・・・・・っ、駄目と言ったでしょう?」 「相変わらずケチな男ね。こんなに可愛いボーイを隠しておこうだなんて、もしや何か企んでるの?」 いや、美人だ。うん、すっごいモデル体型だ。 それにしてもここの悪魔はキスが挨拶か?これで三人目だぞ?俺にキスして何が楽しいんだ?? そんな事を考えていればいつの間にか隣にやって来ていたベリアルが不服そうに話し始めた。 「彼女はゴモリー、魔王の愛人です」 「誰が愛人よ!デリカシーのない男ねっ!!」 「・・・・・・本妻のゴモリーです、基本的に人間好きで特に貴方のような少年を可愛がっています」 そうベリアルが言うなり抱き締められて俺は呆れ半分、嬉しさ半分、で静かに終わるのを待った。
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