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マルコに礼を言って地獄の街の門前で降ろしてもらい、俺は家で疲れを癒していた。
結局は良い奴だったから良いが初めに向けられた殺気は本物だ。本気で俺を殺そうとしていた。
そう思うと、未だに身体が強ばってしまう。
「・・・・・・今日は眠れないな」
誰に言うでもなくポツリと呟く。
すると、コンコンと控えめに扉がノックする音が聞こえてきて「入って良いぞ」と伝えればゆっくり扉が開いて少し意外なお客が部屋に入って来た。
「アリス?どうしたんだ?」
「ね、眠れなくて・・・・・・だ、だから、お前が、眠れないのなら、一緒に寝てあげても良いんだぞ!」
今日は寝付けなかったんだろうか。
そう思いながら手招きすればアリスは持って来ていたブサカワの変なぬいぐるみを抱き締めながら俺の隣に入って来て、そのまま抱き着いてきた。
寝付けなかったのかと思ったんが、この様子からして違うな。多分、怖い夢でも見たんだろう。
「アリス、怪我の調子はどうだ?」
「皆が気を遣ってくれたからもう大丈夫なのだ」
「それは良かった。心配してたんだからな?」
そう言って髪を撫でてやれば、アリスはふいっと顔を逸らしてしまい、小さく溜息をついた。
やっぱり子供の扱い方は良く分からないな。
「・・・・・・くせに」
「ん?」
「心配なんかしてないくせに」
「何言ってる、心配だったに決まってるだろ」
身体を引き寄せてアリスの顎を上げる。
するとそこには静かに涙を流すアリスが居て俺は思わず固まった。あれ、なにか、俺言ったか?
「何日も放ったらかしだったではないか!心配しているなら様子でも見に来るのが普通だろう!?」
「ああ・・・・・・なるほど、そういう事か」
寂しい思いをさせていたんだな。
確かに最近はMrを助けないといけないと言う事に囚われすぎてアリスを見る事ができてなかった。
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