43人が本棚に入れています
本棚に追加
つまりアリスは俺がいなくて寂しい思いをしてたらしい。てっきり悪夢を見たから俺の所に来たと思っていたが、ただ単に子供っぽい理由だった。
嬉しさ半分、呆れ半分、で赤い髪を撫でてやればアリスは拗ねたように頬を膨らませて見てくる。
「なぁ、寂しかったのなら何で言わなかった?」
頬をつつきながらそう問いかければ、
「・・・・・・迷惑に、なると思った。クロは、私と居るよりも、他の悪魔達と居る方が凄く楽しそうだ」
確かにベリアル達とは話してたが、そのくらいで遠慮してたのか?こんなに小さな女の子が?
「迷惑なんて思うわけないだろ、つまらない勘違いするくらいなら子供らしく甘えてこい。良いな?」
「甘える事は、苦手、なのだ」
「俺も甘やかすのは苦手だ、お互い様だな」
・・・・・・待て。なんか、おかしくないか?
俺には妹が居たのにどうして甘やかすのが苦手と言ったんだ?俺は妹をよく甘やかしてたはず、
「どうかしたのか、クロ?」
「あ、いや、何でもない。それより、寂しくさせたお詫びに数日は添い寝をしてやっても良いぞ」
「本当か!?」
「なんだ、嬉しいのか?甘えるのは苦手なんじゃ?」
そう意地悪く言ってやればアリスは頬を髪の毛と同じ色に染めて黙り込んでしまい、俺はその頬をつつきながら「悪かった」と言って抱き締める。
そして、
『お兄ちゃんは甘やかすのが上手だね!』
・・・・・・脳裏に過ぎる記憶は後に回す事にした。
最初のコメントを投稿しよう!