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「ああ、別にいい。俺も途中で説明するのをやめたからどっちもどっちだ。だからそんな顔するな」
なんて言ってしまった。
悪魔相手に俺は何を言っているんだ、と思わないでもないんだが・・・・・・その、なんというのか、、
「本当に悪かった、町の奴らにもお前が犯人ではないとキチンと伝えておこう。それと謝罪にはならないかもしれないんだが何か礼をさせてくれ!」
この悪魔が素直すぎる。
現代の警察だったら、すみません、くらいで終わりだというのに礼までしてくれるのだという。
「あー、なら地獄の街にいれてくれないか?今日中に泊まる所を見つけたいんだ」
「分かった!ではすぐに手配してこよう!お前は門の所まで来てくれるだけで良い、じゃあ後で」
それだけ言うと悪魔は背中から大きな漆黒の翼をだして空へと飛んで行った。
それを見送ってから今度は自分の頭に手をやぅねそれから思い返した。なぜ俺が地獄に居て、死んでいるのならどうやって死んでしまったのか。
その理由を考えようとしていふと、ふと妙な記憶が脳裏を過ぎる。
『君の望みは何でも叶えてあげますよ』
俺がまだ高校二年くらいの頃だったか。
そう言っていた男に出会った。
あの頃は、悪魔とか天使とかを信じていなかったからアイツが見せてくれていたヘンテコな魔法をマジックだと思い本気にはしていなかったんだ。
『さぁ、早く願いを言ってください』
俺は別に良い、と口にしていたが、そんな俺に、なぜか男は毎日のように俺に会いに来て執拗に俺の願いを叶えると言っていたような気がする。
でも、なんでこのタイミングで思い出す?
俺はなんとなく不思議に思いながらも、歩いて来た道を戻り始めた。
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