第9章 最後のデート

4/10
前へ
/145ページ
次へ
「クロくん、可愛い!天使のようです!!」 ・・・・・・相変わらず物好きな奴だ。 男に、しかも、俺にこんな黒猫のカチューシャを付けて何が楽しいんだ?全く理解不可能だな。 「それ着けててくださいね!簡単な飲み物を買ってくるので待っていてください、クロくん!!」 「分かった、分かった・・・・・・良いから行け」 周りに変な目で見られてるだろうが、と言いかけ止める。こんなに楽しそうなんだから良いか。 名残惜しそうに離れていくMrに、しっしっと犬を追い返すように手を振れば「可愛い!」と信じられないくらいの大声で言われて顔に熱が集まっ た。 全く・・・・・・羞恥というものがMrにはないのか? でも、楽しそうだから良かった。 初めはなんか様子が変だと思ったんだが。 『俺と居る時に俺の事以外を考えるな!』 あの話し方はベリアルと話してる時の話し方だ。 と言う時は口調が荒く、力が強くなる。 と言う時は口調が優しく、力が弱い。 今までは俺に対して甘いというか優しい話し方をしてたからさっきのは驚いた。考えごとをしてただけで面倒な彼女のような事を言ってきたから。 もしかして、何かあったのか? 話し方もそうだが少しイライラしているというかなにか焦っているような・・・・・・そんな気がする。 「あら、そこに居るのはクロくんじゃないの」
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加