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聞こえてきた明るい声に振り返ってみれば、そこにはトマト(血じゃ無い事を望む)ジュースを片手に近付いてくるモリーさんの姿があった。
「可愛い格好してるわね、猫ちゃん?」
「知り合いに無理やり着けられたんだ・・・・・・そんな事よりモリーさんはここで何をしているんだ?」
「この辺で異様な殺気みたいなものを感知したから来てみたんだけど気のせいだったみたいね」
・・・・・・もしや、Mrじゃないよな。
というか悪魔ってそんなの感知できるのか?
「まぁ、とりあえず気をつけた方が良いわよ」
「分かった。 ああ、そう言えばマルコは俺と契約してくれたぞ、聞いているかもしれないが」
「そうだったの? ベリアルは・・・・・・まさか、あのエセ天使! この私に嘘なんかついたの!?」
またか、ベリアル。
相変わらず嘘をつくのが好きだな。
「聞いてなかったのか?」
「ええ、飄々とした様子で『知りません』って面倒臭そうに言ってたから本当かと思ってたけどあの男は知ってたのね!? 一発殴ってやってやるわ!」
じゃあね、クロくん。
と、だけ言って、モリーさんは怒り心頭な様子で歩いて行き俺はそれを見送りながら溜息をつく。
ベリアル・・・・・・最近アイツも変なんだよな。
妙に忙しくしてるというか、前は嫌ってほどベタベタしてきたのに最近は「今忙しいので」の一言を言うばかり。声をかけても素っ気ない事が多い。
何も企んでないと良いんだ、
──ピタッ。
「ッッッ!?」
急に首元に冷たい物が当てられて全身にゾワッとした何かが這っていく。振り返ればそこには、
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