ああ、これでいいんだな

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ああ、これでいいんだな

 思いがけず妄想コンテストで準大賞をいただき、怒涛のように訪問者が訪れた数日でしたが、職場でのたうってるうちにいつの間にか一服した模様。読んでくださった皆様、スター・感想などくださった皆様、祝福してくれた方々、ありがとうございました。  正直、「隠し鬼の石の話」なんて柳田國男のエッセイみたいなタイトルで、普通なら誰も読むはずもないし、実際、あまり読まれてなかったんです。「止まない雨」というお題を見て、自分なら何か書けないかと考えて、わりとすぐにまとまったイメージが出てきたので、ただ書いてみた、それだけのものだったんですね。もちろん、そのうえで工夫を凝らしましたけれど、最初から売れ線を狙って考えたものではまったくなかった。  だから、今回一つわかったのは、いろんな数字を稼ぐために、自分をねじまげなくていいんだ、というか、好きなものを好きなように書いても、評価されるときは評価されるし、面白いと言ってもらえるんだ、ということ。  マイナージャンルのマイナー作品を書いてる方、私以外にもいっぱいいらっしゃると思います。そのままやりたいことをやっていいんだよ、というのは、そういうみんなに伝えたいと思ったことです。  構想を練る時、二種類の読者がいるんだ、ということを考えていました。それは一番この作品を読みたがっている自分という読者と、自分の外の世界に可能性としては人類の数だけ存在する、その作品のことを何も知らない無数の未知なる読者と。どっちも同じように大事で、どっちのこともあきらめてはならない。一個準大賞をとったぐらいで分かったようなことは言えませんが、それが今回思ったことでした。                                   この頁終わり。  
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