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最近の進捗と妄言
公募用長編の話。
だいたいいつも中盤から後半への折り返しが鬼門なのだが、あらゆる可能性を掘り返し、脳みそのあらゆる引き出しの奥を覗き込んで、どうやら逃げでもごまかしでもない突破口が見つかった模様。
締め切りのリミットは6月30日(当日消印有効)。
良いのか悪いのか、小手先ではまとめきれない込みいった状態が続くため、しんどい作業が続きそうなのだが、久々に「これの完成と引き換えに死んでもいい」くらいのテンションがもどってきているので、苦しいながらもすこぶる気分は良い。
いや、生きるのは苦行だとしか思ってない人間なので、「死んでもいい」というのはたいした覚悟ではないのだが、ほんとうに、命が尽きる瞬間まで、考え続けて、書き続けて、前進してる実感の中で絶え果てることができたら、それはどんなに充実した死に様だろう。
どうして、いつもぎりぎりのところで、生き続けるほうの道をえらんでしまうのだろう。そっちの道に、特別欲しいものがあるわけでもないというのに。
などと思いながら、夕食のカレーを煮込む。これは翌朝の分まで残るな、とか思いながら。
人間というのはそういうものだ、なんていう雑なまとめ方はしたくないが、
植物と同じように、人間の魂にもまた、重力に逆らって天に手を伸ばそうとする力と、大地に根を張り伸び広がろうとする力がともにあって、絶え間なく葛藤を続けているのだろう。それは自我とか意思とかの問題でなく、生き物としての在り方そのものなんだろうと思う。
生活こそが人生であって、生活を馬鹿にする芸術家気どりなんてろくなものではないが、生活の中に埋没してしまえば、そのまま人生は一つの牢獄となる。
生活の上に立つ足があって、はじめて高く手を掲げることができる。それで星に手が届くわけでも、この世から暴力が一つ減るわけでもないのは知っている。それでも、その無意味な身振りを、死ぬまで続けようと思う。それを、自分が生きている意味にしようと思う。
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