「覚悟ノススメ」は実は読んだことがない

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「覚悟ノススメ」は実は読んだことがない

 気持ちとしてはニュートラルな特徴のない文体を心がけているのだが、それでも、というかそれゆえにというべきか、作者の中身の偏り具合が透けて見えてしまうようだ。  今まで書いたものを読み返してみると、「覚悟」という単語が実に頻繁に出てくる。「覚悟はあるか」とか「覚悟を決めた」とか、せりふになっていなくても心の声として、大きな行動を起こすまえに、しょっちゅうこの言葉が出てくる。  逆に出てこない単語と言うのもあって、「切ない」はここにあげた全作品のなかで一回つかっているかいないかではないか。「悲しい」も少ない。そのての感情描写は、「胸に刺さる痛み」みたいな身体感覚の言葉に置き換えている。    誰でもこういう偏りはあるんではないかと思う。  意識して読んでみると面白いかもしれない。          
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