悪夢

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「遅い!!」 「ごめんやん……!」 歩が家から出ると玄関先には、スポーツタイプの自転車に跨ったままの状態で待ち受けている女子高生が居た。 制服であるスカートの丈は通常より少し短く、ペダルに乗せている足の方は大胆に少し筋肉質な太ももが露わになっている。 (ええ"足"してんなぁ……) 「どこ見てんねん……! さっさと行くで!」 思春期真っ只中の歩には、刺激的で思わず目が釘付けになっていた事が、彼女にバレていたことで「お、おう」と赤面しながら、先に動き出した彼女の後を追う。 「てか(つばさ)、今日朝練は?」 歩は翼に追いつき並行になると、そう疑問を問いかける。 すると、翼は歩の方に顔だけを向けると罰の悪そうな表情を作った。 「夜中までランク上げしてたら、寝坊しちゃった! てへぺろ(笑)」 「何も可愛いくないから、それやめろ」 「はぁーー?!」と憤る彼女(つばさ)は、歩が幼い頃から仲の良い所謂(いわゆる)、幼なじみだ。 幼小中と同じで、今年17歳である二人は高校も同じ学校へと進んだ。 翼の方が歩より学力は高いが「制服が可愛い!」という理由だけで歩の志望校へと学力を下げ受験し、現在に至る。 そんな翼は、中学生の時に入っていたバスケ部から、高校では陸上部へと移転した事で、才能が開花し、今では注目の的ではある。 が、翼の今の興味の的は陸上ではなく、ゲームだった。
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