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僕らは廃品になる未来を待つ
「こちらは、廃品回収車です。ご家庭でご不要になりました廃品を回収致します。生きていても構いません。お気軽にご相談ください」
今日も女性の明るい声が街中に響き渡っていた。
人口減少により、少数精鋭で動く社会となり、ITの発展で人間に価値がつけられる時代となった。
価値の低い人間は奴隷となり、奴隷制度が一般化した社会。
しかし奴隷の手さえ必要としなくなった現代社会では、動けなくなった奴隷は不必要の烙印を押される。
そこで制定されたのが”廃品回収法”である。
奴隷は”廃品”扱いをされ、回収される。
そんな法律がこの国で成立し、もう間もなく50年という月日が経とうとしていた。
【廃品回収法】
第一条 第一項
奴隷制度に基づき奴隷と定められたものに対し、所有者が不要と判断するに該当する場合、奴隷を廃品と扱い、処分することを認めるものとする。
第一条 第二項
第一条第一項に基づき処分に該当する奴隷は、廃品回収車にて回収するものとし、それ以外は認めないものとする。
ーーこの国では、”人間”か”奴隷”かで区分される。
大体の家庭に最低一人の奴隷が生かされている。
少年・シュウは廃品回収された奴隷の処理として土を掘るためだけに生かされている奴隷であった。
今日も廃品回収車はやってくる。
淡々とした女性の声で、今日も村や街中で呼びかけをする。
昼間は暑い日差しの中でひたすら土を掘る。
別の人間は掘った穴の中に回収された廃品を投げ捨てていく。
土を掘れども掘れどもその廃品が尽きることはなかった。
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