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Chapter1. 『恋する花嫁』
久方ぶりに貴方から話しかけてくれて、私は浮かれていた。
その低く心地のよい声で名を呼ばれ、頭の芯まで痺れるような陶酔を味わった。
また、やり直せるのだと思っていた。
なのに、どうして?
どうして笑いながら、そんなおぞましいことが言えるの?
どうして、どう考えても正気ではないことを口にしながら、そんなにも愛おしそうに私のことを見つめてくるの?
――貴方は……狂ってしまったの?
……私の所為で?
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