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ただし、中には邪な企みを持つ者もいる。
純粋な好意を寄せる者には心温まるレジナルドの微笑みも、邪な欲を持つ者には取り付く島のない鉄壁の冷微笑に映る。その品のある迫力に気圧され、本人には何も言えず、上司であるアンソニーにそれとなく橋渡しを頼む者は、これまでに何人もいた――男ばかりだったが。
レジナルドは何も言わないが、おそらく本人を直接口説いた剛の者もいたことだろう。
(そちらはすべて御婦人方ばかりだといいのだが)
そう思いつつ、レジナルドがフロントマネージャーに就任するや否や、主に裏方の仕事を担当するよう手を回したのは、彼を息子のようにも思っているアンソニーの、年頃の娘を気遣うような親心がさせたことだった。
心得たレジナルドの崇拝者達は、今までのように頻繁に彼をフロントで見掛けるのが難しくなったことを知り残念がったが、気持ちよく昇進祝いを贈り、また彼らの高貴な客人や取引相手に、ザ・ジャロルズのフロントマネージャーを最上級の賛辞をもって紹介し、花を持たせてくれた。
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