ひとりのクラスメイト

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ひとりのクラスメイト

「溝山さんは様々なハンディがあります。  皆さん、溝山さんが困っていたら手を差し伸べましょう」  私は小学生の頃、ガールスカウトに入っていた時に、ボランティア活動を幾度かした経験がある。  老人ホームに行き、入居者さんとお話したり、食事介助をした経験もある。  ハンディのある人に手を差し伸べることは、ある意味当然のように思っていた。  溝山さおり。  ハンディがあり、話すときも動くときも、体が震えていた。  溝山さんは2歳の時の高熱が原因で、その後遺症としてハンディを持ったという。  同じクラスになり、できる範囲でフォローできたら、と思っていた。  …そう、そのときは。
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