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――どのお花も素敵ですね。迷っちゃうなぁ…
「ありがとうございます!この子たちも、嬉しそうです!」
――ふふっ!………ハ~ぁ
「?どうかなさいましたか?」
突然ため息を吐いた女性を見上げると、心なしか寂しそうな顔をしていた。
「…私でよければ、お話、聞かせてください。力になれるかは、分かりませんが…」
――・・・そうね。なんだか話すのも情けない話なんだけど。
女性はゆっくりと頷いて、レジのわきにある椅子に腰かけた。
回転椅子をくるくるとまわしながら、彼女は語り始める。
私ね、来週の火曜日に結婚するの。
だけど、何故か踏ん切りがつかない…っていうか。
結婚って、本来は幸せなものでしょう?
全然楽しくないの。
友人が次々と結婚しているのを見て、「私も結婚しなくちゃ!」って思ってて。
結婚には強いあこがれを持ってた。
それなのに・・・。
多分、私は彼を信じ切れてないんだと思う。
彼ね、前に2回ほど浮気をしたことがあって。
付き合ってもうすぐ3年だけど、同棲を始めたのだって7月からだし。
彼のちょっとだらしない性格が合わないっていうか…なんだろう
「もしかしたら、利用されてるんじゃないか」って思っちゃうんだよね。
…って、あはは…自分の都合のいいように喋ってるね、私。
本当は、それだけじゃないの。
――私ね、中学生の時に付き合ってた先輩がいて。
彼のこと、まだ忘れられてなくて。
喧嘩別れ、みたいになっちゃったから、謝りたいのもあるけど。
まだ、大好きって気持ちはあるのに。
どうしたらいいんだろうね・・・
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