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不仲な両親もサプライズによって、仮面が外れるかもしれない。
少なくとも何か変わればいいと思った。
今思えば、疲弊していたのだ。
三郎さんの雑な編集も、コントみたいな仕掛けも。安っぽい同情狙いも。
人間らしくて安心した。
で、あと五分でサプライズ企画が始まる筈だったのに
不審者のふりをした三郎さんがナイフ(もちろん偽物)を出し、父が母を庇うのかとか、まあ、少し脅かしたあとにネタばらしをして、花束を渡すのだ。紐を引くと天井に仕込まれた籠がひっくり返り、花びらが降りそそぐ。
結論から言えば、両親の別の顔を見ることは出来た。
驚いて声をあげているのも初めて見たし、口を大きく開けて息切れしているところなんて見たことない。
「三郎さん、せっかく来て下さったのにすみません……」
「……い、いや、何て言うか……俺は、なにも……」
三郎さんを家に入れて、企画を説明するところまでは配信済みだ。そのあと隠れてもらってたのだけれど
「あと、続きは配信出来そうにないですね……」
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