両親へのサプライズを企画したのに私が一番驚いた話

3/4
前へ
/4ページ
次へ
不仲な両親もサプライズによって、仮面が外れるかもしれない。 少なくとも何か変わればいいと思った。 今思えば、疲弊していたのだ。 三郎さんの雑な編集も、コントみたいな仕掛けも。安っぽい同情狙いも。 人間らしくて安心した。 で、あと五分でサプライズ企画が始まる筈だったのに 不審者のふりをした三郎さんがナイフ(もちろん偽物)を出し、父が母を庇うのかとか、まあ、少し脅かしたあとにネタばらしをして、花束を渡すのだ。紐を引くと天井に仕込まれた籠がひっくり返り、花びらが降りそそぐ。 結論から言えば、両親の別の顔を見ることは出来た。 驚いて声をあげているのも初めて見たし、口を大きく開けて息切れしているところなんて見たことない。 「三郎さん、せっかく来て下さったのにすみません……」 「……い、いや、何て言うか……俺は、なにも……」 三郎さんを家に入れて、企画を説明するところまでは配信済みだ。そのあと隠れてもらってたのだけれど 「あと、続きは配信出来そうにないですね……」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加