矢田くんとの遭遇。

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 そんな時、衝撃の事実がさらに追加される。 「うん、出席番号だと前後だからテストの時は前後になるし、集会の時に番号順で並ぶ時はお隣さんだよ」 「お隣さん・・・だと!?」   クラスメイトでも席が遠いとか、接点がないと名前が怪しいことがある。特に今年は去年の感染症のせいで、二年生になっても見覚えのない人が多い為そうなのかと思った。いや、そう思おうとしたが、そうとはいかないようだ。  私と彼は、ムッチャ接点があるようだ。  よく考えたらね、「村田」と「矢田」なんだから出席番号近いに決まってるよね。テストの時とか、集会の時とか近くにいたのね!  思い出してみれば、こんな黒髪で眼鏡をかけて存在がボヤ〜っとした少年がいた気がする。それが、彼「矢田くん」だったんだ。 「あ、あ〜〜! 思い出した〜。テストの時に一回消しゴム拾ってくれたことがあったよね。あの時は、ありがと」 「うん。俺って存在感が薄いから、言われるまで気づかなかったよね」 「そうだね! ・・・、って違うよ!!? ちゃんと思い出したから。集会の時とか、隣にいたもんね」 「うん、わかってるからいいよ」
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