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三日目の仕合が始まった。
第一組の勝ち抜けは村田善六にほぼ決まってはいたが、各々褒美ほしさに気は抜いていなかった。
ここで奮戦したのが肥後国からやって来た菊池主水之介。村田善六に次ぐ四勝一敗の成績を残した。
第二組は胤嗣と巴がそれぞれ譲らなかった。二人とも初戦の引き分け以外は全勝した。
第三組は紅蓮坊が圧倒的な強さを見せ、残る者達はどんぐりの背比べでしかなかった。
第四組は捨テ二郎が全勝で勝ち上がり、他は三勝二敗か、二勝三敗に終わった。
兵衛の第五組は誰もが勝ち抜けると思っていた安藤宗重は鬼木元治に負け三勝二敗で試合を終え、その鬼木元治は当然のごとく五連勝、並木掃部ノ兵衛義貞は四勝一敗で試合を終えた。
第六組は波乱が起きた。それまで全勝を続けていた国立清右衛門が安芸の剣客桂金吾兼嗣に屈し、互いに四勝一敗となった。
これで全ての仕合は終了し、満足げに義政は席を立った。
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