延長したい、今夜。

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バン! 「ごめんトイレ貸して!」 テーブルに手を付き急に立ち上がる私に、あっけにとられる啓太。 「どこ!?」 「げ……玄関の横」 「ありがと!」 ダダダダ……ガチャン。 「……ふう」 扉を閉じ便器に腰かけて深呼吸する。 落ち着け。落ち着け。落ち着くんだ、私。 下腹部はスッキリしたけど、胸のドキドキは止まらない。 いるの、いないの、どっちなんだろう。 トイレから戻ると、スマホを眺めてる啓太の姿が見える。 「急にごめん」 「……大丈夫なん?」 「うん。もう平気。……で?」 スマホをベッドに置いてこっちを見る。 「いないよ」 って。 ってことは、ってことだよね??? 「……何で聞いたの?」 私も穏やかな表情を作って啓太の顔を見つめる。 啓太、準備はできたよ。 さあ。 「……彼氏がいたら、泊まらせたの申し訳ないなあって思って」 そうだよね。 彼氏がいる女の子泊めるって、ふつう良くないことだよね。 って。 それじゃない。
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