延長したい、今夜。

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見上げた天井の明かりがほんのりと照らす室内。 グレーのカーテンに、白のテーブル、そして……黒のベッド。 初めて入った部屋は、モノトーンで統一されていて、男の人の部屋だなあって思う。 部屋中啓太の匂いで包まれている気がした。 「……ねえ、啓太」 「何?」 「わたし……我慢できない」 「えっ、もう少し待ってよ」 「ええ〜、もう充分でしょ」 「だって……まだ入れたばっかじゃん」 「……固いのがいいんだもん」 「さすがに早くない?」 「そうかなあ」 「……まあ、止めるもんじゃないし。お好きにどうぞ」 「じゃあ……いくよ」 ビリビリビリ。 薄い蓋を勢いよく開けると、もやもやっとした湯気が一気に顔を包み込む。 「お湯入れてまだ2分もたってないのに、もう開けるんだ」 ベッドに座っている啓太が苦笑している。 屋台で食べる締めのラーメンも固めが好きな私は、熱湯入れて5分のカップラーメンを指示通り5分も待ってられない。 ズルズルズル…… あー美味しい。生き返る。 たくさん飲んだ日は、どうしても塩分が欲しくなってしまう。 「俺も食べよ」 ベッドから降りた啓太がテーブルの向こう側に座り、カップ麺を開ける。 ズルズルズル…… お互いに無言で食べる。 ススス〜。 身体に悪いとわかっていても、スープもぜんぶ飲み干してしまう。 「ごちそうさま。」 空のカップを机に置き一息つく。 やっぱり、飲んだ日はラーメン食べないと満足できないな。 って。 満足してる場合じゃない!
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