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「なんだ、夢だったのか……」
俺はベッドから起き上がって、カーテンを開ける。カーテンを開けると外から、眩しすぎるくらいの朝日が差し込んでくる。俺は、ぐっと背伸びをして、一つため息をつく。
「本当に夢だったらいいのにな……」
そう、俺がさっき見ていたのは夢だ。でも、それは少し違う。実際に夢を見ていたが、その夢は実はつい二日前に俺が実際にやったことなのだ。だから、本当に俺はユメに告白したんだ。そして、フラれた。
それはあまりに呆気なく。あの夢を実は俺は二日連続で見ている。気持ち的にはもう大丈夫なはずなのに、俺の体がそうは言っていないらしい。それにしても、二日連続でフラれた夢を見るなんて、根に持っているにもほどがある。
もやもやとした感情を振り払うようにして俺は首を横にブンブンと降って、一回両手で頬を叩く。
「よし。学校行くか」
寝間着姿から、制服に着替え、玄関へと降りて行く。そして、玄関のドアノブに手をかけて大きな声で一言告げる。
「行って来ます」
俺が外に出て、ドアが閉まる前に小さな声で“いってらっしゃい”と声が聞こえる。もう何年も、この繰り返しをしているが、このルーティーンがすごく気持ちがいい。それが、俺の好きな相手ならなおのこと……。
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