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エピローグ
「信じられません。信じられないことです!」
興奮して唾を飛ばしながら、アナウンサーが何度も繰り返す。
「飛来したミサイルは、物理法則を全く無視した角度で曲がり、無人の山中に着弾しました。しかも……不発だったのです! こんなことがあり得るのでしょうか! こんな奇跡が……」
スクランブル交差点の端っこで、D川は放心したままニュース画面を見つめていた。
地上の混乱などつゆ知らず、夏はなおもD川の首筋を黒く焼け焦がしていく。E田が心臓発作で自宅の庭に倒れていたと訃報があったのは、翌日のことだった。
<了>
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