確認してると思いますが

1/5
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
 スマートフォンのタイマーを押すと、同時にドアが開いた。 「すみません。大変なことが起きまして」  アルバイトである氷見はバイトリーダーの水沢に声をかける。 「なんだよ、至福のひとときを邪魔しやがって」  ため息をつき、氷見を睨みつけた。しかし、彼は臆することなく続ける。 「お客さんが『例の商品』はないのかって押しかけてきて」  渋々立ち上がると、タイマーを確認した。 「よし、5分で終わらせる」  制服であるエプロンを身につけると、水沢は氷見と共に休憩室を出た。バックヤードには売り物が入ったダンボール箱が積まれている。そのダンボールの壁を抜けていき、店へつながる扉を開けた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!