夏にカエルの子は孵る

五曲目

まもるは学校へ行く
↓
悪魔の親戚腫れ物扱いたらい回し
↓
学力なく痩せこけた異形
↓
どこでもいじめられる
↓
何も知らないくせに僕を否定
↓
笑う、笑う、笑う
↓
あいはこわれてた
↓
学校行けず鬼子と恐れられる
↓
その所業数多
↓
家具を壊す
↓
壁紙を剥がす
↓
アルミ缶をペンで滅多刺し
↓
小動物を⚫⚫⚫⚫⚫
↓
その数⚫⚫⚫
↓
遂に僕らは弾かれた
↓
世間から隠すように小さなアパート
↓
可愛い妹と二人きり
↓
だから僕は「まとも」でいられる
↓
何もかも最小限
↓
自由に使えるお金は月に一万
↓
それでも幸せだったよ
↓
机に落書きされても
↓
バケツの水をかけられても
↓
殴られても蹴られても
↓
裸の写真を撮られても
↓
「あの子」はずっと見てた
↓
2019年６月まもるは11
↓
あいの狂気は加速
↓
特定のぬいぐるみを父親思い込み
↓
朱のこびりついた包丁振りかざすと
↓
ザクザクザクザク
ザクザクザクザク
ザクザクザクザク
ザクザクザクザク
↓
抉りくり貫き形がなくなると満足そうに笑う
↓
その笑う顔が大好きで
↓
「おとうさん⚫⚫じゃった」
↓
自傷やめない他傷やめない
↓
こわされた少女は美しく育つ
↓
あいが救われるならと
↓
何度も作り直す
↓
それが心の闇を育てるなんて知らず