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荊棘
「吊し上げー!!」
始まってしまった。七様の御言葉である。
「ななさまぁー!!」
太鼓の合図の音が空高く鳴り響くと、みんなが狂喜乱舞のごとく叫び、割れんばかりの歓声である。
指名された者は、処刑台に立ち、直ちに処罰される。七様に逆らうことはできない。七様の逆鱗に触れると言うことは、「死」を意味する。
「死」と言っても、殺される訳ではない。だが、社会的地位は当然のごとくなくなり、廃人と化していく。死んだも同然である。須く、みんなは怯え、恐れ戦いていたが、これが日常化していた。
『吊し上げ』とは、その人の現在、過去、環境、仕事内容、恋愛遍歴、家族構成等、全て曝け出され、辱しめを受けることである。秘密や隠し事などは全て重要事項として暴かれ、心を丸裸にさせられるのである。
これが、一生続くのだ。
唯一赦しを乞うとすれば、それは甘酒を捧げることである。それでも、刑は裁かれる。
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