1人が本棚に入れています
本棚に追加
「…………っ」
なのに、どうして私はしゃがみ込んで、顔を覆っているんだろう。
悲鳴と歓声とがごた混ぜになった空気が赤くなった鼻を掠める。
ドアを閉める直前、あの子の手がプレイヤーの早戻しボタンに伸びるのが見えた。
あの5分間がまた繰り返されるんだろう。
あの5分間は、本当は私のもののはずだった。
今じゃ、うるさいくらい聞こえる。
音漏れするほどの小さな爆音で、鼓膜が破れそうなほどに聞こえていた。
最初のコメントを投稿しよう!