モスキート

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 「…………っ」  なのに、どうして私はしゃがみ込んで、顔を覆っているんだろう。  悲鳴と歓声とがごた混ぜになった空気が赤くなった鼻を掠める。  ドアを閉める直前、あの子の手がプレイヤーの早戻しボタンに伸びるのが見えた。  あの5分間がまた繰り返されるんだろう。      あの5分間は、本当は私のもののはずだった。  今じゃ、うるさいくらい聞こえる。  音漏れするほどの小さな爆音で、鼓膜が破れそうなほどに聞こえていた。
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